「かんがえるな、たのしめ」
いつか尋ねた時、鯉江良二氏が書いてくれた文字。年季の入ったボードを手に、ペンを力強く握り込み書いてくれた。力強い唸り声を聞きながら渡される。考えることを生涯やめなかった鯉江良二氏の文字が、メッセージとして戦った後ろ姿をいつも思い出させるようになった。この甘く鋭い文字が、今も頭の中で回りながら常滑という地で日々を過ごしている。
常滑は陶業の町として栄えた。言葉を借りるなら「 下半身陶器の街、常滑 」土管や便器など生活を支える焼き物でもあるが、陽の光に当たらない。そこらを歩けば土管の陶片があちこちに落ちている。これが古染付の陶片だったらどうだろうか。3023年に土管の陶片を見つけた人は、価値を見出すかもしれない。そんな可能性を秘めた常滑での生活を振り返れば、万の陶片と暮らす豊かな町ということになる。
古染付の陶片に花が描かれ今でも存在するように、日常に溢れる花を土で立ち上げる。花が日々成長するように、時間とともにじっくりと。工房横で立ち上がる花たちを手で追う。身近にある花を記憶に留め、形にする。
Overview
- Opening Dates25th (sat) March - 3rd (mon) April 2023
- Venue
SHINMACHI BLDG. 3F/4F